はじめに

次のトピックが本リリースノートに含まれます。

  • インストール関連の事項

  • 機能の更新

  • カーネル関連の更新

  • ドライバーの更新

  • 技術プレビュー

  • 解決された問題

  • 既知の問題

Red Hat Enterprise Linux 4.8 の更新情報の一部が、本バージョンのリリースノートに記載されていないことがあります。Red Hat Enterprise Linux 4.8 リリースノートの更新バージョンは以下の URL で確認できます。

http://www.redhat.com/docs/manuals/enterprise/

ライフサイクル 

Red Hat Enterprise Linux 4 のライフサイクルは、https://www.redhat.com/security/updates/errata/ でご確認いただけます。

以前公表された通り、Red Hat Enterprise Linux 4.8 のリリースにより、Red Hat Enterprise Linux 4 の Prouction 2 フェーズが開始されました。このフェーズでは、新しいハードウェアへの対応は予定されていません。

https://www.redhat.com/archives/nahant-list/2008-July/msg00059.html

サブスクリプションは、現在サポートされている Red Hat Enterprise Linux のすべてのバージョンに対して有効です。

インストール関連の事項

この項には、Red Hat Enterprise Linux のインストールと Anaconda インストールプログラムに特有の情報が記載されています。

注記

Red Hat Enterprise Linux 4 のマイナーバージョン (4.6 や 4.7 など) から Red Hat Enterprise Linux 4.8 にアップデートする場合は、Web ユーザーインターフェイスまたは Red Hat Network Satellite から Red Hat Network を使用することを推奨します。

ネットワークに接続できないシステムをアップグレードする場合は、Anaconda の "Upgrade" 機能を使用してください。ただし、Anaconda では追加レポジトリまたはサードパーティアプリケーションの依存関係などの問題を処理する機能が制限されています。また、Anaconda はインストールエラーを対話的ではなくログファイルに報告します。

したがって、Red Hat はオフラインのシステムのアップグレード時にアップグレード設定を最初にテストおよび検証することをお薦めします。アップグレードを実稼働環境に適用する前に更新ログにエラーがないかよく確認してください。

Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間のインプレースアップグレード (たとえば、Red Hat Enterprise Linux 3 から Red Hat Enterprise Linux 4.8 へのアップグレード) はサポートされていません。これは Anaconda の "Upgrade" オプションで実行できますが、アップグレードしたインストールが正常に動作することは保証されません。メジャーリリース間のインプレースアップグレードでは、すべてのシステム設定、サービスおよびカスタム設定が保持されるわけではありません。このため、Red Hat はメジャーバージョン間のアップグレードを行う場合はフレッシュインストールを実行することを強くお薦めします。

  • Red Hat Enterprise Linux 4.8 CD-ROM の内容をコピーする場合は (ネットワークベースのインストールのためなど)、オペレーティングシステムの CD-ROM のみをコピーするようにしてください。補助 CD-ROM や一連の製品 CD-ROM はコピーしないでください。Anaconda が正しく動作するために必要となるファイルを上書きしてしまいます。

    これらの CD-ROM は Red Hat Enterprise Linux のインストールが終了してからインストールします。

  • Red Hat Enterprise Linux 4 (およびすべてのアップデート) に同梱されている GRUB のバージョンはソフトウェアミラーリング (RAID1) をサポートしません。したがって、Red Hat Enterprise Linux 4 を RAID1 パーティションにインストールする場合、ブートローダーはマスターブートレコード (MBR) ではなく最初のハードドライブにインストールされます。これにより、システムはブートできなくなります。

    Red Hat Enterprise Linux 4 を RAID1 パーティションにインストールする場合は、最初に MBR から既存のブートローダーを削除する必要があります。

  • フラットパネルモニタと一部の ATI カードを使用するシステムに Red Hat Enterprise Linux 4 をテキストモードでインストールする場合は、画面領域がずれて表示されることがあります。そのような場合は、画面の一部が表示されません。

    この場合は、パラメータ linux nofb を使用してインストールを実行してください。

  • Red Hat Enterprise Linux 4.6 から本リリースにアップグレードする場合は、minilogd が複数の SELinux 拒否エラーをログに報告することがあります。これらのエラーログは深刻ではなく、無視しても問題ありません。

  • 以前、Anaconda キックスタートのドキュメント (/usr/share/doc/anaconda-<anaconda-version>/kickstart-docs.txt) に、キックスタートファイルの --driveorder オプションについて下記のような記載がありました。

    Specify which drive is first in the BIOS boot order. (最初に BIOS でブートされるドライバを指定します。) 
                                            

    しかし、--driveorder オプションには最初のブートデバイスを一番初めに指定するだけでなく、システム上のすべてのドライブをリストする必要がありました。今回の更新で、ドキュメントの内容を明確にするため、以下のように変更になりました。

    Specify which drive is first in the BIOS boot order. (最初に BIOS でブートされるドライバを指定します。)
    The ordered list must include all the drives in the system. (順序リストにはシステム上のすべてのドライブを記載しなければなりません。)
                                            

    キックスタートファイルに --driveorder オプションを使用する時は、順序リストにシステム上のすべてのドライブを記載するようにしてください。

機能の更新

  • Systemtap が Red Hat Enterprise Linux 4 で完全サポートされるようになりました。Systemtap はフリーソフトウェア (GPL) インフラストラクチャを提供し、Linux システム稼動についての情報収集をより簡単にするため、パフォーマンスや機能の問題解析に便利です。開発者が systemtap を使用すると、他の方法では情報の収集が必要となる複雑な再コンパイル、インストール、再ブートなどの手順を繰り返す必要がなくなります。

    新しい Red Hat Enterprise Linux や Linux システムの systemtap の機能は、Red Hat Enterprise Linux 4 では動作しないものがあります。カーネル utrace が存在しないため、ユーザー空間のプロービングはサポートされません。

  • dmidecode は BIOS やマザーボードの更新に関する情報を提供します。この勧告で提供されるバージョンの kernel-utils は、dmidecode をバージョン 2.2 から バージョン 2.9 に更新します。このバージョンは、新しいプロセッサ、PIC 表現のスロットやデバイス、ブレードシャーシを認識します。また、SMBIOS v2.6 仕様のサポートも向上しました。

  • 本リリースには新しいバージョンの kernel-utils が同梱され、新しい Intel のプロセッサをサポートするため Intel microcode ファイルがバージョン 20080910 に更新されました。

  • 新しい HP ProLiant ハードウェアに導入された新しい CCISS コントローラをサポートするため、smartmontools が拡張されました。

  • Samba パッケージがアップストリームバージョン 3.0.33 にリベースされました。3.0.x バージョンシリーズは、Samba コードベースのバグ修正専用ブランチです。3.0.33 にリベースしたことで、多くの重要なバグ修正やセキュリティ修正が追加されました。今回のリベースで追加された機能はありません。

    今回のリベースで提供されたアップストリームの修正についての詳細は、http://samba.org/samba/history/samba-3.0.33.html の Samba リリースノートを参照してください。

  • ipmitool がアップストリームバージョン 1.8.11 に更新され、以下を含むバグ修正や改良が加えられました。

    • ドキュメントの更新

    • SDR/FRU や SOL などのバグ修正

    • 新しいコマンドやオプション

    -K コマンドラインスイッチが prompt for Kg key から read Kg key from environment variable に変更になったため注意してください。-Y フラグが更新前の -K と同じように動作するようになりました。

カーネル関連の更新

  • ibmphp のアンロードは安全ではありません。以前の ibmphp モジュールをアンロードしないようにするメカニズムは十分とは言えず、バグによって停止する原因となっていました。今回の更新では、このモジュールをアンロードしないようにする方法が改善され、バグによる停止が発生しないようになりました。モジュールをアンロードしようとすると警告がメッセージログに生成され、モジュールのアンロードは安全でないと表示されますが、この警告は無視しても問題ありません。

  • 今回の更新では、64GB を越えるシステムで 32ビット x86 カーネルを稼働している場合に物理メモリが 64GB に制限されるようになりました。カーネルはメモリを Lowmem と Highmem の 2 つの領域に分割します。Lowmem は常にカーネルアドレス空間にマップされますが、Highmem は必要な時に 1 ページごとカーネル仮想ウインドウにマップされます。メモリの I/O が 64GB を越えると、mem_map (ページアレイ) のサイズが Lowmem のサイズに以上になることがあります。この場合、ブート中にカーネルパニックが発生したり、カーネルが完全に起動しないようになります。カーネルが完全に起動しないと、カーネルがブート後にカーネルメモリを割り当てないため、パニックかハングが発生します。

  • ハードウェア仮想マシン (HVM) 上で矢印キーを継続して押すとハードウェア割り込みとタイマ割り込み間で割り込みの競合状態が発生しました。その結果、キーボードドライバが未知のキーコードイベントを報告しました。今回の更新で i8042 ポーリングタイマが削除されこの問題は解決しました。

  • 今回の更新で、diskdump ユーティリティ (vmcore カーネルダンプを作成し取得できるようにするユーティリティ) の sata_svw ドライバに対する使用がサポートされるようになりました。

  • 今回のアップデートで "swap_token_timeout" パラメータが /proc/sys/vm に追加されました。

    このファイルには、スワップアウト保護トークンの有効な保持時間が含まれています。Linux 仮想メモリ(VM)サブシステムは、スラッシング制御メカニズムに基づいたトークンを持っており、このトークンを使用してスラッシングの際に不必要なページの障害が発生しないようにします。値は秒単位です。この値はスラッシング動作を調整するのに便利です。値に 0 を設定すると、スワップトークンのメカニズムを無効にすることができます。

  • readdir() を使用したディレクトリの処理中に、readdir() 呼び出し全体のエラーが返される問題が NFSv4 (ネットワークファイルシステムバージョン 4) クライアントに存在しました。今回の更新で、readdir() が呼び出されると fattr4_rdattr_error フラグが設定されるようになったため、サーバーに処理を継続するよう命令し、この問題の原因となっていたディレクトリエントリのみにエラーを報告するようになりました。

  • 以前は、NFS (ネットワークファイルシステム) クライアントが readdir() 関数の不正な返答を処理しませんでした。その結果、サーバーは readdir() 関数への呼び出しが正しく行われたと返答しましたが、返答にはエントリがありませんでした。今回の更新で、readdir() の返答の構文解析論理が変更されたため、不正な返答が受信されるとクライアントが EIO エラーを返すようになりました。

  • RPC クライアントは、適切な状況下で開放し再割り当てできるメモリの場所に portmap 呼び出しの結果を保存します。しかし、場合によっては portmap 呼び出しの結果がメモリより開放されるタイミングが早すぎることがあり、メモリ破損の原因となることがありました。今回の更新で、portmap の結果が保存されるメモリの場所に参照カウントが追加され、使用後のみに開放されるようになりました。

  • 状況によっては、システムメモリが少ない時に割り当てがブロックされる RPC 呼び出しのデータ構造がありました。そのため、大量の NFS ページがライトバックを待っている場合、メモリ圧力が大きいとデッドロックが発生することがありました。今回の更新で、これらデータ構造の割り当てが非ブロッキングとなったため、この問題は解決しました。

  • LVM ミラーされたボリュームに同期的に書き込みを行うと (O_SYNC フラグを使用) パフォーマンスが劣化しました。そのため、ミラーされたボリュームに I/O を書き込むたびに 3 ミリ秒の遅延が発生し、ミラーされたボリュームがリニアボリュームより 5-10 倍ほど遅くなる原因となりました。今回の更新で、I/O キューのアンプラギングが dm-raid1 ドライバに追加され、ミラーされたボリュームのパフォーマンスもリニアボリュームに相当するまで改善されました。

  • 新しいチューニングパラメータが追加され、kupdate が反復毎にディスクに書き込むことができる最大変更ページ数をシステム管理者が変更することができるようになりました。このチューニングパラメータ (/proc/sys/vm/max_writeback_pages) のデフォルト値は 1024 (4MB) で、kupdate が反復される度に最大 1024 ページを書き込むことができます。この値を大きくすると、kupdate が変更されたページをフラッシュする頻度が高くなり、kupdate の実行間でシステムがクラッシュした場合に損失する可能性のあるデータを低減することができます。max_writeback_pages の値を大きくすると、I/O 負荷に敏感に反応するシステムではパフォーマンスが劣化する可能性があります。

  • 新しい許可値が /proc/sys/kernel/wake_balance チューナブルパラメータに追加されました。wake_balance の値を 2 に設定すると、最適な CPU ではなく、別の使用できる CPU でスレッドを実行するようスケジューラに指示します。このカーネルパラメータを 2 に設定すると、システム全体のスループットを犠牲にして全体的な待ち時間を削減するようスケジューラを強制します。

  • ディレクトリツリーをチェックする際に、カーネルモジュールがツリーがビジー状態であると誤って判断することがありました。有効なオフセットマウントと有効期限に使用されるオープンファイルハンドルが原因で、ファイルハンドルがビジー状態のチェックを考慮しませんでした。この結果、既にマウントされているオフセットに対してマウントが要求されました。今回の更新でカーネルモジュールチェックが修正され、正しくないマウント要求が生成されなくなりました。

  • システムの初期化中、APIC (高度プログラム可能割り込みコントローラ:Advanced Programmable Interrupt Controller) の初期化後に CPU のベンダが検知されました。そのため、9 以上のコアを持つ x86_64 AMD システムでは、APIC クラスタモードが使用され、システムのパフォーマンスが最適化されませんでした。今回の更新によって、APIC が初期化される前に CPU ベンダが確認されるようになり、デフォルトで APIC 物理フラットモードが使用されるようになりました。

  • Red Hat Enterprise Linux 4.8 の Common Internet File System (CIFS) コードが更新され、アップストリームで修復されたバグが修正されました。変更は次の通りです。

    Unix 拡張なしでサーバーをマウントすると、ファイルのモードを変更することができましたが、モードの変更が永久に保存されずに元のモードに戻ってしまうことがありました。今回の更新で、デフォルトではファイルのモードを一時的に変更することができなくなりました。chmod() 呼び出しは正常実行を返しますが、何も起こりません。以前の動作が必要な場合は、新しいマウントオプションの dynperm を使用する必要があります。

  • カーネル内で dio_bio_end_aio()dio_await_one() の間で競合状態が発生することがありました。これにより、直接 I/O がすでに終了した I/O プロセスを永久に待つ状態になることがありました。今回の更新で、参照カウント操作がロックされ、提出パスと完了パスが統合状態になるようになり、この問題は解決されました。

  • 完全仮想化ゲストシステムを Red Hat Enterprise Linux 4.6 (kmod-xenpv パッケージがインストールされた状態) から新しいバージョンの Red Hat Enterprise Linux 4 にアップグレードすると、内蔵のカーネルモジュール間(xen-vbd.koxen-vnif.ko、旧式の xen-platform-pci.ko)で不適切なモジュールの依存関係が生じました。そのため、xen-vbd.ko ドライバにてマウントされたファイルシステムや、xen-vnif.ko ネットワークドライバを使用するゲストネットワークが正常に動作しませんでした。

    Red Hat Enterprise Linux 4.7 では、xen-platform-pci.ko モジュールの機能はカーネルに内蔵されていました。しかし、正式にロード可能なカーネルモジュールがカーネルの一部となると、既存のロード可能なモジュールに対するシンボル依存チェックが module-init-tools で正しく実行されませんでした。今回の更新で、xen-platform-pci.ko 機能が内蔵されていたカーネルから削除され、ロード可能なモジュールに戻されました。そのため、カーネルのアップグレード中に module-init-tools が正しく依存関係をチェックし作成するようになりました。 

  • 32 ビットの Red Hat Enterprise Linux 4.6 の完全仮想化ゲストで、64 ビットのホストに準仮想化ブロックドライバ (xen-vbd.ko) を使用するとディスクやパーティションをマウントできませんでした。今回の更新で、ブロックフロントドライバ (block.c) がアップデートされ、ゲストが 32 ビットプロトコルを使用していることをブロックバックドライバに通知するようになったため、この問題は解決しました。

  • pv-on-hvm ドライバをベアメタルカーネルにインストールすると、自動的に /proc/xen ディレクトリが作成されました。そのため、/proc/xen ディレクトリの存在を確認してシステムが仮想化カーネルを実行しているか検証するアプリケーションが、誤って仮想化カーネルが使用されていると判断することがありました。今回の更新で、pv-on-hvm ドライバが自動的に /proc/xen ディレクトリを作成しなくなったため、この問題は解決しました。

  • これまで、準仮想化ゲストは最大 16 台のディスクデバイスまでしか持つことができませんでしたが、今回の更新で最大 256 台のディスクデバイスを持つことができるようになりました。

ドライバーの更新

  • ALSA の Intel® High Definition Audio (HDA) ドライバが更新されました。この更新により、HDA 統合のオーディオを持つ新しいハードウェアに対するオーディオサポートが向上されました。

  • 複数のクライアントから rcp コマンドを実行すると、forcedeth ドライバが応答しなくなることがありました。今回の更新で、forcedeth ドライバが更新され、この問題は解決しました。

  • これまで、sata_nvドライバの ADMA (自動直接メモリアクセス:Automatic Direct Memory Access) モードがデフォルトで有効になっていました。そのため、sata_nv ドライバを使用するデバイスの一部でデバイスエラーやタイムアウトが発生することがありました。今回の更新で ADMA モードがデフォルトで無効になったため、この問題は解決しました。

  • KVM のI/O 仮想化のプラットフォームである virtio のドライバが、Linux Kernel 2.6.27 から Red Hat Enterprise Linux 4.8 へバックポートされました。これらのドライバは、KVM ゲストの I/O パフォーマンスを向上します。virtio デバイスをサポートするため、anacondakudzulvmselinuxmkinitrd などのユーザー空間コンポーネントも更新されました。

  • 新しいネットワークチップセットをサポートするため、r8169 ドライバが更新されました。今回の更新で、RTL810x/RTL8168(9) の種類がすべて Red Hat Enterprise Linux 4.8 でサポートされるようになりました。

  • mptsas ドライバが バージョン 3.12.29.00 に更新されました。この更新にはバグ修正が含まれ、下記を含む新しい機能が有効になりました。

    • デュアルポートのサポート

    • SAS チップの電源管理

  • lpfc ドライバがバージョン 8.0.16.46 に更新されました。今回の更新により、以下を含むバグ修正や改良が適応されました。

    • FCoE LP21000 HBA のサポート

    • HBAnyware 4.0 のサポート

  • SAS ベース RAID コントローラの megaraid_sas ドライバがバージョン 4.01-RH1 に更新されました。これにより、下記を含むバグ修正や改良が適応されました。

    • LSI Generation 2 コントローラ (0078, 0079) のサポートを追加。

    • ファームウェアのシャットダウンを向上するため、シャットダウンルーチンのシャットダウン DCMD にコマンドを追加。

    • ハードウェア Linux ドライバに予期せぬ割り込みが発生する原因となっていたバグの修正。

  • IBM eServer System PeHEA イーサネットデバイスドライバがバージョン 0078-08 に更新されました。

  • EHCA infinband デバイスドライバは Red Hat Enterprise Linux 4.8 およびそれ以降の Red Hat Enterprise Linux 4 リリースでサポート対象外となります。

技術プレビュー

技術プレビュー 機能は現在、Red Hat Enterprise Linux 4.8 サブスクリプションサービスではサポートされていません。技術プレビュー機能は完全ではなく、一般的に実稼動の使用には適していません。しかし、これらの機能は便利な機能を公開する目的で含まれています。

お客様はこれらの機能が非実稼動環境では役に立つことがお判りになるでしょう。お客様はこれらが完全サポートになる前に自由に技術プレビューへのフィードバックと機能提案を提供して頂けます。重大なセキュリティ問題には Errata が提供されます。

技術プレビュー機能の開発期間中に、追加のコンポーネントがテスト用に公共使用できるようになることがあります。Red Hat では、技術プレビュー機能が将来のリリースで完全サポートになるようにすることを目標としています。

Red Hat Enterprise Linux における技術プレビューの範囲についての詳細は、Red Hat ウェブサイトの Technology Preview Features Support Scope をご覧ください。

OpenOffice 2.0

OpenOffice 2.0 は今回、このリリースでは技術プレビューとして 含まれています。このセットは、ODF、PDF 機能、デジタル署名と形式/インターフェイスに 関するより幅広い互換性のサポートを含む数種の改良を特徴としています。これに加えて、 OpenOffice 2.0 スプレッドシートはピボット表サポートを 強化しており、今回は最大 65,000 列まで処理することができます。

OpenOffice 2.0 に関する詳細情報については、http://www.openoffice.org/dev_docs/features/2.0/index.html を参照してください。

解決された問題

  • Red Hat Network applet を使用してクライアントを異なる Red Hat Satellite Server に再登録すると、アプレットによって現在のサーバーでは使用できない更新が以前のサーバーで表示されました。/etc/sysconfig/rhn/rhn-applet が新しいサーバーの詳細を反映するよう変更されませんでした。今回の更新で提供されるバージョンのアプレットはサーバーの URL で更新のキャッシュを関連付けるため、使用可能な更新のみをユーザーに表示するようにします。また、このバージョンは設定ファイルの変更も検知します。変更が検知されると、アプレットが設定変数を自動的に再ロードし、新しいサーバー接続を作成します。

  • sysreport.legacy$HOME をルートディレクトリとして使用していました。そのため、この環境変数が存在しなかったり、参照するディレクトリが書き込み可能でなかったため、sysreport.legacy はレポートを生成できず、Cannot make temp dir というメッセージを表示して終了しました。Sysreport.legacy が任意に作成されたディレクトリをルートディレクトリとして使用するようになったため、$HOME が使用できないシステムでもレポートを生成するようになりました。

  • マウントに関連するホストの近接度をテストする時、automount デーモンは 128 バイトの固定サイズのバッファを使用してローカルインターフェイスの情報を SIOCGIFCONF ioctl より取得しました。各インターフェイスの詳細は 40 バイトであるため、automount デーモンは最大で 3 つのローカルインターフェイスの情報しか取得することができませんでした。マウントに関連するホストがローカルのアドレスを持ち、3 つのインターフェイスの 1 つと関連していない場合、近接度が正しく分類されませんでした。

    システム上のインターフェイスの情報をすべて格納できる十分な大きさのバッファを確保するため、automount デーモンが動的にバッファを割り当てるようになりました。そのため、NFS マウントのホストの近接度を正しく検知するようになりました。

  • マウント場所(複製されたマウント)の複数のホストに参照する Automount マップエントリでは、automount デーモンは近接度と NFS バージョンでリモートホストをプローブします。応答しないホストはリストから削除されます。応答するリモートホストがない場合はリストが空になります。これまでは、デーモンが最初のプローブの後にリストが空であるかを確認しなかったため、セグメントの障害が発生することがありました(NULL ポインタの非参照が原因)。そのため、リストの確認が追加されました。

  • これまで、ttfonts-zh_CN パッケージには Zhong Yi Song TrueType フォントが含まれていました。このフォントの著作権は Beijing Zhong Yi Electronics Co. が所有しており、Red Hat Inc. は Red Hat の製品とソフトウェアのみにフォントの使用が許諾されています。そのため、Red Hat はこのパッケージを自由に配布することができませんでした。Red Hat のお客様は、Zhong Yi Song TrueType フォントを Red Hat Network および fonts-chinese-zysong パッケージの補助 CD より入手することができます。

  • マルチパスが 1024 以上のパスに設定されると、各パスのファイル記述子を開けないため、multipathdmultipathd dead but pid file exists の状況とクラッシュしました。これにより、error calling out /sbin/mpath_prio_ontap /dev/[device] エラーの原因となることもありました。新しい multipath.conf パラメータである max_fds が追加され、multipathd プロセスが開くことができるファイル記述子の最大数をエンドユーザーが設定したり、max を使用してシステムの最大数を設定することができるようになりました。max_fds に十分大きな数字を設定したり、max を設定することで、multipathd のクラッシュを回避することができます。

  • accraid ドライバを Adaptec 2120S または Adaptec 2200S コントローラに使用すると、システムがブートできず、aac_srb:aac_fib_send failed with status 8195 というエラーを返すことがありました。今回の更新で、accraid ドライバが更新され、この問題は解決しました。

  • SOS はシステムのハードウェアや現在の設定について情報を収集するツールの集合です。この情報は、分析やデバッグに使用することができます。

    今回の更新で、sosreport が生成するレポートに以下の 5 種類の情報が追加されました。

    • /var/log/cron* の内容と crontab -l の出力 (問題発生時に実行されていたプロセスを表示)。

    • 以前 fdisk で収集した情報ではなく、parted のパーティション情報(parted は GUID パーティションなど fdisk が取得できなかった情報を収集できるため)。

    • dumpe2fs -l の出力。

    • /etc/inittab の内容。

    • サービスの現在の状態を表示する "/sbin/service --status-all" の出力(これまでは、"chkconfig --list" よりブート時の設定のみ取得)。

  • 期限切れとなるマウントと umount(8) がサーバーの応答を永久に待つことができる場合、automountumount(8) を使用します。このため、有効期限がブロックされる原因となり、同じ /usr/sbin/automount プロセス (指定のオートマウントプロセスが管理するマウント) でマウントが長期期限切れとならない問題が発生することがありました。その結果、1 つのサーバーにアクセスできない場合、応答しているサーバー上の期限切れのマウントをオートマウントがアンマウントしなかったため、システムに期限切れであるのに有効なマウントが大量に存在する可能性がありました。アンマウントを断念し、残りのマウントの処理に移る時間を指定するコマンドラインオプションがオートマウントに追加されました。そのため、一部のサーバーが応答しなくても期限切れのマウントがアンマウントされるようになりました。

  • netpbm パッケージが更新され、以下のバグが修正されました。
    • netpbm と同梱されたユーティリティに一部には、ドキュメント通りの方法であっても標準入力からのファイルを許可しないものがありました。今回の更新により、この問題は解決しました。

    • netpbm と同梱されたユーティリティの一部に、イメージファイルの処理中にクラッシュするものがありました。今回の更新でこの問題は解決しました。

  • ICQ インターネットメッセージプロトコルサーバーが先日変更され、クライアントは新しいバージョンの ICQ プロトコルを使用しなければならなくなりました。Pidgin 2.5.2 (以前 Red Hat Enterprise Linux 4 に同梱されたバージョン) で ICQ にログインしようとすると、エラーメッセージが表示されログインできません。今回の更新で Pidgin がバージョン 2.5.5 にアップデートされたため、この問題は解決しました。

  • Red Hat ナレッジベースに記載のあった Red Hat Enterprise Linux 4 でのファイバチャンネルの再スキャンに関する説明が明確ではありませんでした。改訂後の説明は、http://kbase.redhat.com/faq/docs/DOC-3942 をご覧ください。

  • SSH サーバーに接続した後、サーバーがテキストベースのバナーを SSH クライアントに返すことがありました。そのため、gftp (グラフィカル ftp クライアント) が SFTP 経由でバナーを返す SSH サーバーに接続しようとすると、gftp がバナーをエラーとして解釈し、接続を切断しました。今回の更新で gftp がバージョン 2.0.1 に更新され、バナーを返すサーバーへの接続が可能になりました。

  • 単一のファイルを NFS ディレクトリにアップロードする際、ファイルの更新時とアクセス時を表示するタイムスタンプが正しく記録されないことがありました。今回の更新で、タイムスタンプが常に更新されるようになったため、この問題は解決しました。

  • PCI デバイスの kudzu のプロービングコードが、特定の PCI クラスとバインドして動作するモジュールの一部 (特に SGI Altix システムのsgiioc4 ドライバ) を適切に検索することができませんでした。このようなモジュールがロードされないと、システムはドライバに依存するデバイスを検知することができません。アップデートされたパッケージに新しいバージョンのプロービングコードが含まれたため、モジュールを適切に検索できるようになりました。

既知の問題

  • Red Hat Enterprise Linux 4.8 の論理ボリュームマネージャがファイル記述子のリークを報告したため、インストールの出力で以下のようなエラーが返されました。

    File descriptor NUM (socket:XXXX) leaked on lvm invocation.
                                            

    このメッセージは無視しても問題ありません。

  • NFS(ネットワークファイルシステム)サーバーより Red Hat Enterprise Linux 4 をインストールすると、インストーラが NFS マウントポイントを適切に閉じることができません。これにより、NFS サーバーが正しく動作しないことがあります。このような問題が発生した場合、Red Hat は インストールに HTTP サーバーを使用することを推奨します。

  • BIOS がレガシー (acpiphp) およびネーティブ (pciehp) PCI ホットプラギングを両方を実行できるシステムでは、管理者は推奨方法を選択し、明示的に Red Hat Enterprise Linux 4 が非推奨方法のモジュールをロードしないようにしなければなりません。それには、/etc/modprobe.conf に非推奨のモジュールをブラックリストします。

  • Mellanox MT25204 のハードウェアテストの結果、一定の高負荷の状況で内部エラーが発生することが判明しました。ib_mthca ドライバがこのハードウェアに関する重大なエラーを報告した場合、通常そのエラーはユーザーアプリケーションによって生成された未完了の作業要求の数に対する不十分な完了キューの深さに関係しています。

    ドライバはハードウェアをリセットし、そのようなイベントから回復しますが、エラー発生時の接続はすべて切断されます。この結果、通常ユーザーアプリケーションでセグメンテーション障害が発生します。また、エラー発生時に opensm を実行している場合は、適切な処理を再開するために opensm を手作業で再起動する必要があります。

  • openmpilam の以前のバージョンのバグにより、これらのパッケージをアップグレードできないことがあります。この同じバグにより、すべてのパッケージのアップグレード時に up2date が失敗することがあります。

    openmpi または lam をアップグレードしようとするとこのバグにより以下のエラーが発生します。

    error: %preun(openmpi-[version]) scriptlet failed, exit status 2
                                    

    また、up2date を使用してすべてのパッケージをアップブレードしようとしたときにこのバグにより以下のエラーが発生します (/var/log/up2date に記録されます)。

    up2date Failed running rpm transaction - %pre %pro failure ?.
                                    

    したがって、これらのエラーを回避するには最初に openmpilam の古いバージョンを手動で削除する必要があります。このためには、以下のように rpm コマンドを使用します。

    rpm -qa | grep '^openmpi-\|^lam-' | xargs rpm -e --noscripts --allmatches

  • 設定されたストレージシステムで LUN が削除された場合は、ホストで変更内容が反映されません。このような場合は、LUN が不整合になるため、 dm-multipath が使用されているときに lvm コマンドが永久的にハングします。

    この問題を回避するには、すべてのデバイスと不整合な LUN に固有の /etc/lvm/.cachempath リンクのエントリを削除します。これらのエントリが何を示すのかを確認するには、以下のコマンドを実行します。

    ls -l /dev/mpath | grep <stale LUN>

    たとえば、 <stale LUN> が 3600d0230003414f30000203a7bc41a00 の場合は、以下が表示されます。

    lrwxrwxrwx 1 root root 7 Aug  2 10:33 /3600d0230003414f30000203a7bc41a00 -> ../dm-4
    lrwxrwx--rwx 1 root root 7 Aug  2 10:33 /3600d0230003414f30000203a7bc41a00p1 -> ../dm-5
                                    

    これは、3600d0230003414f30000203a7bc41a00 が dm-4dm-5 の 2 つの mpath リンクにマップされていることを示します。

    したがって、/etc/lvm/.cache から以下の行を削除する必要があります。

    /dev/dm-4 
    /dev/dm-5 
    /dev/mapper/3600d0230003414f30000203a7bc41a00
    /dev/mapper/3600d0230003414f30000203a7bc41a00p1
    /dev/mpath/3600d0230003414f30000203a7bc41a00
    /dev/mpath/3600d0230003414f30000203a7bc41a00p1
                                    
  • HA-RAID 2 システムの設定では、2 つの SAS アダプタが 2 つのシステムに接続され、共有 SAS ディスクドロワーに接続されます。両方の SAS アダプタで PrimaryPreferred Dual Adapter State 属性を設定すると、競合状態が発生し、2 つの SAS アダプタ間でファイルオーバーが永久的に発生します。これは、1 つの SAS アダプタしか Primary に設定できないためです。

    このエラーを回避するには、一方の SAS アダプタを Primary に設定する必要がある場合は、もう一方の SAS アダプタの Preferred Dual Adapter StateNone に設定します。

  • hp_sw カーネルモジュールを使用する必要がある場合は、更新された device-mapper-multipath パッケージをインストールしてください。

    また、アクティブ/パッシブモードを適切に使用し、Linux マシンからの接続を識別するには、HP アレイを正しく設定する必要があります。このためには、以下の手順に従います。

    1. show connections を使用して各接続の WWPN (World Wide Port Name) を調べます。2 つの接続がある HP MSA1000 アレイに対する show connections の出力例は以下の通りです。

      Connection Name: <Unknown>
      Host WWNN = 200100E0-8B3C0A65
      Host WWPN = 210100E0-8B3C0A65
      Profile Name = Default
      Unit Offset = 0
      Controller 2 Port 1 Status = Online
      
      Connection Name: <Unknown>
      Host WWNN = 200000E0-8B1C0A65
      Host WWPN = 210000E0-8B1C0A65
      Profile Name = Default
      Unit Offset = 0
      Controller 1 Port 1 Status = Online
                                                      
    2. 以下のコマンドを使用して各接続を適切に設定します。

      add connection [接続名] WWPN=[WWPN ID] profile=Linux OFFSET=[unit offset]

      [接続名] は任意に設定することができます。

      示された例を使用する場合、適切なコマンドは以下のようになります。

      add connection foo-p2 WWPN=210000E0-8B1C0A65 profile=Linux OFFSET=0

      add connection foo-p1 WWPN=210100E0-8B3C0A65 profile=Linux OFFSET=0

    3. 各接続が適切に設定されていることを確認するために show connections を再び実行します。示された例の場合、正しい設定は以下のようになります。

      Connection Name: foo-p2
      Host WWNN = 200000E0-8B1C0A65
      Host WWPN = 210000E0-8B1C0A65
      Profile Name = Linux
      Unit Offset = 0
      Controller 1 Port 1 Status = Online
      
      Connection Name: foo-p1
      Host WWNN = 200100E0-8B3C0A65
      Host WWPN = 210100E0-8B3C0A65
      Profile Name = Linux
      Unit Offset = 0
      Controller 2 Port 1 Status = Online
                                                      
  • Red Hat は、EXT3 ファイルシステムで quota を使用することをお薦めしません。これは、場合によってはデッドロックが発生するからです。

    テストの結果、quota の実行中に使用される一部の EXT3 固有のコールアウトを kjournald がブロックする場合があることが判明しています。必要な変更が大規模になるため、Red Hat はこの問題の修正を Red Hat Enterprise Linux 4 では計画していません。

    この問題は Red Hat Enterprise Linux 5 では存在しません。

  • Mellanox MT25204 のハードウェアテストの結果、ある高ロードの状況で内部エラーが発生することがわかっています。ib_mthca ドライバがこのハードウェアに関する重大なエラーを報告した場合は、通常そのエラーはユーザーアプリケーションによって生成された未完了の作業要求の数に対する不十分な完了キューの深さに関連します。

    ドライバはハードウェアをリセットし、そのようなイベントから回復しますが、エラー発生時のすべての既存の接続は失われます。通常はこの結果、ユーザーアプリケーションでセグメンテーションフォールトが発生します。また、エラー発生時に opensm を実行している場合は、適切な処理を再開するために opensm を手動で再起動する必要があります。

  • Desktop Sharing 接続アイコンの場合は、ダブルクリックするとコンテキストメニューが表示されます (右クリックしたときではありません)。他のすべてのアイコンの場合は、右クリックするとコンテキストメニューが表示されます。

  • ib_ehca InfiniBand ドライバがポート自動検知モード (モジュールパラメータ nr_ports=-1 を使用) でロードされると、IP-over-InfiniBand ネットワークインターフェイス (ibX) が使用できるようになるタイミングが遅くなることがあります。この問題が発生すると、openibd 起動スクリプトが発行する ifup ibX コマンドが失敗するため、ibX インターフェイスが使用できなくなります。

    この問題が発生したら、コマンド rcnetwork restart を実行して問題を修正してください。

  • IBM Redbook "Implementing InfiniBand in IBM System p (SG247351) マニュアルの Table 6-3 (PDF 版の 220 ページ) に、デバッグコードビット定義と HCA エラーインジケータビットについて説明があります。

    eHCA2 アダプタを使用すると、エラーインジケータビットのビット 46 と 47 が誤検出 (false positive) を返すことがあります。

  • HP ICH10 ワークステーションでは、フロント 3.5mm ジャックのみ音声を有効にできます。そのため、音声出力を受信したり、録音に使用する場合は、ヘッドフォンやスピーカ、マイクなどをフロントジャックで使用するようにしてください。現在、このワークステーションのリアジャック、内部スピーカ、マスターボリュームは使用できません。

  • 今回の更新で、下記のモデルでデフォルトの PCI 検知と順序モードが変更になりました。

    • HP Proliant DL 580 G5

    • HP Proliant DL 385 G2

    • HP Proliant DL 585 G2

    これらのモデルは、Red Hat Enterprise Linux 4 および 5 ではデフォルトでないデバイススキャンと列挙モードを使用します。これらの HP Proliant モデルが使用するモードでは、アドオンカードが検知されたり、オンボードデバイスや内部デバイスの前にアドオンカードが追加されることがあります。このような予期しない順序によって、Red Hat Enterprise Linux の新しいインスタンスのインストールやハードウェアの追加、管理が困難になることがあります。

    上記 HP Proliant モデルのネットワークインターフェイスカード (NIC) の番号は、Red Hat Enterprise Linux 4.7 カーネルでアップデートすると変更する可能性があります。インストールされている各 NIC に対して HWADDR=MAC ADDRESS パラメータが /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth[X] に定義されていないと、インストーラが NIC 番号を変更します。予期しない NIC 列挙が原因となる問題が発生しないよう、Red Hat はこのパラメータを定義するよう推奨します。

    さらに、これらの HP Proliant モデルを Red Hat Enterprise Linux 4 にアップデートした後に NIC 列挙が変更されないよう、カーネルブートパラメータの pci=nobfsort/boot/grub/grub.conf に追加してください。

  • ボリュームグループにミラーやスナップショットが存在する場合、ボリュームグループパラメータを使用して lvchange コマンドを実行すると、以下のエラーメッセージが生成されることがあります。

    Unable to change mirror log LV fail_secondary_mlog directly
    Unable to change mirror image LV fail_secondary_mimage_0 directly
    Unable to change mirror image LV fail_secondary_mimage_1 directly
                                            

    このメッセージは無視しても問題ありません。

  • Dell PowerEdge SC1435s システムがブート中にハングすることがあります。ハングしないようにするには、grub.confterminal 行を編集し、ストリング serial consoleconsole serial に変更します。

  • アップデートされた ixgbe ドライバは Intel 82598AT (Copper Pond 10GbE) をサポートしていません。

  • Red Hat Enterprise Linux 5.3 は基礎のブロックデバイスのオンラインによる拡大や縮小を検知することができます。しかし、デバイスのサイズが変更になったことを自動的に検知する方法がないため、デバイスの検知やデバイス上に存在するファイルシステムのリサイズは手作業で行う必要があります。リサイズされたブロックデバイスが検知されると、以下のようなメッセージがシステムログに記録されます。

    VFS: busy inodes on changed media or resized disk sdi
                                    

    ブロックデバイスが拡大された場合、このメッセージは無視しても問題ありません。しかし、ブロックデバイス上のデータセットが縮小されずにブロックデバイスが縮小された場合、デバイス上に存在するデータが破損する場合があります。

    LUN (またはブロックデバイス) 全体に作成されたファイルシステムのみオンラインでリサイズすることができます。ブロックデバイスにパーティションテーブルが存在する場合、ファイルシステムをアンマウントしてパーティションテーブルを更新しなければなりません。

  • res_n* 関連のリゾルバルーチン (res_nqueryres_nsearchres_nmkquery など) に既知のメモリリークが存在します。これらを使用するプログラムは除々にメモリをリークします。この問題は新しいバージョンの glibc では修正されましたが、Red Hat Enterprise Linux 4 に修正を適応するのはリスクが伴います。これらの関数を使用するプログラムは、時々再起動してメモリを開放しなければなりません。

  • Red Hat Enterprise Linux 4 のインストール中に処理できるデバイスの数は、インストール initrd イメージのサイズにより異なります。そのため、マシンに多くのデバイスが接続されている場合 (データが多く投入されているファイバチャンネルの設定など)、可視デバイスの数を少なくしないとインストールができません。

  • 最初に Red Hat Enterprise Linux 4.7 に導入された aacraid ドライバの更新には、最新の Adaptec PERC3/Di ファームウェアが必要です。Red Hat Enterprise Linux 4 のそれ以降の更新 (4.8 を含む) には、バージョン 2.8.1.7692, A13 以上の PERC3/Di ファームウェアが必要です。このファームウェアは以下より入手できます。

    http://support.dell.com/support/downloads/download.aspx?c=us&cs=555&l=en&s=biz&releaseid=R168387&SystemID=PWE_PNT_PIII_1650&servicetag=&os=WNET&osl=en&deviceid=1375&devlib=0&typecnt=0&vercnt=9&catid=-1&impid=-1&formatcnt=4&libid=35&fileid=228550

  • インストール中、インストールする以前にシステムに存在した 論理ボリュームマネージャ (LVM) メタデータを anaconda がすべて削除しないことがあります。メタデータが削除されないと、インストール後に LVM ツールによって存在しないボリュームグループや論理グループが報告される原因となります。この問題に対処するには、インストール終了後に陳腐化した LVM メタデータを削除します。

  • multipath は呼び出しプログラムによって表示されたエラーメッセージを阻止しません。そのため、パスがダウンしている時に multipath が実行されると、複数のエラーメッセージが表示されることがあります。表示されるメッセージは、multipath が使用している呼び出しプログラムによって異なります。たとえば、scsi デバイスが障害を起こしている時に multipath が実行されると、scsi_id が以下を出力します。

    <H>:<B>:<T>:<L>:Unable to get INQUIRY vpd 1 page 0x0.
    <H>:<B>:<T>:<L>:sg_io failed status 0x0 0x1 0x0 0x0
                                            

    また、EMC CLARiiON がダウンしている時に multipath -ll が実行されると、mpath_prio_emc priority 呼び出しが query command indicates error を出力します。

( x86 )

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